お子さまが何かに夢中になっている瞬間、不安を安心に変える視点
お子さまが真剣な表情で何かに取り組んでいる姿を見て、「日々の忙しさの中で、その小さな瞬間を見逃してしまっているかも…」と、不安を感じることはありませんか?その真剣な眼差しの先には、脳が急成長している素晴らしい瞬間があります。今回は、ある男の子が夢中になったクラフトの時間から、心と体がどのように育まれているのかをお伝えします。
指先の力とコントロールを養う、微細運動(手先の細かい動き)の活動
写真は、2歳児クラスの男の子が、自分で作った「紙皿ピザ」を前にした瞬間の様子です。紙皿を赤い絵の具で塗ってトマトソースに見立て、その上に、緑色のフェルトの具材(ピーマン)、黄色のフェルト(チーズ)、そして真ん中には赤いフェルトの玉(チェリートマト)を一生懸命に並べました。
この活動には、大切な成長のねらいがあります。
微細運動(手先の細かい動き)の発達
小さなフェルトの具材を指先でつまみ、思い通りの場所に置く動作は、目と手の協応(目で見た位置に正確に手を動かすこと)を養い、指先の力をコントロールする練習になります。
■ 達成感と自己肯定感の育み 何よりも、自分で完成させたピザを見て浮かべた、この満面の笑み。この瞬間に、「できた!」という強い達成感と、「自分はできる」という自己肯定感の芽が、しっかりと育まれています。
保育者の関わり:子どもの「意欲」を信じて、待つということ
保育士は、この試行錯誤のプロセスを静かに見守ることに徹しました。上手く置けなくてもすぐに手を出さず、自分で納得がいくまで待つ。そして、完成したときには、その結果だけでなく、「トマト、真ん中に置いたんだね」と、子どもの工夫や努力を具体的に認める声かけを行いました。この保育士の寄り添う関わりが、子どもの挑戦しようとする意欲をさらに深く引き出しています。
お家でも「できた!」を一緒に喜ぶ工夫を
ご家庭でも、お子さまが何かを作ったり、絵を描いたりしたときには、ぜひその工夫したポイントを具体的に聞いてあげてください。
「きれいにできたね」という言葉も嬉しいですが、「この赤いところ、何?」と興味を持って聞くことで、お子さまはさらに想像の世界を広げ、「お母さんも喜んでくれた!」という自信につながります。園でのこうした経験が、ご家庭での「自分で!」という前向きな行動へとつながっていくはずです。お子さまの「やりたい!」という意欲を、私たちと一緒に大切に育んでいきましょう。